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urology

泌尿器科

精索静脈瘤に対する顕微鏡下低位結紮術が保険適応になりました(平成30年4月)
 精巣から心臓に戻る静脈内の血液が逆流してしまい、精巣の周りに静脈の瘤が出来てしまう状態を精索静脈瘤と言います。とくに男性不妊症患者の約40%に見られます。また、右精索静脈と比較して圧倒的に左精索静脈に発生しやすいという特徴があります。
 多くの場合、自覚症状はありませんが、まれに陰嚢の違和感や鈍痛が発生します。また、造精機能障害(精子を作る機能障害)がしばしば起こり、男性不妊の原因の一つです。 
治療の主体は外科的治療となります。手術療法は、高位結紮術、腹腔鏡下手術、顕微鏡下低位結紮術がありますが、最近は、再発や陰嚢水腫などの合併症が少なく、付随して起こる側副血行路の処理も可能である顕微鏡下低位結紮術が行われることが多くなってきており、優れた治療成績を誇っています。
 この顕微鏡下低位結紮術は、平成30年4月に保険適用となり、以前と比べて患者さんの負担が軽減されました。当院においては、不妊治療の権威である岡田弘先生(現:獨協医科大学越谷病院リプロダクションセンターセンター長、元神戸大学医学部付属病院助教授)の指導を受け、平成16年11月より、治療を行っております。
お困りの際には、当院泌尿器科までご相談ください。

 

泌尿器科とは

 泌尿器とは、おしっこを作り出し、体外に排出するために働く器官をまとめて呼んだ名称です。おしっこは腎臓で作られ、尿管を通って膀胱にたまり、尿道を通って排出されます。泌尿器科では尿路系(おしっこを作り体外に尿を排出する)臓器と男性特有の臓器(前立腺・精巣)を扱います。 体の中にある老廃物は、血液によって腎臓に運ばれます。そして、腎臓の働きにより、血液は濾過されて老廃物を尿として体外に排泄します。その際、必要なものは再吸収して体内に留め、体内を一定の環境に維持する働きをしています。腎臓やその機能、尿路のどこかに異常があると、尿の成分や性質、量などに影響が出ます。泌尿器科では、おしっこの検査(尿検査)は、泌尿器臓器の異常を知らせる重要な検査になります。
泌尿器系の仕組みと働き

腎臓

 腎臓は、背中側の腰のやや上部に左右1つずつあります。健康な腎臓はソラマメのような形をしており、握りこぶしほどの大きさで、重さは1個150gほどの臓器です。
主な働きは、尿量を調節して体内の水分量を一定に保つ、老廃物を尿として排泄する、電解質(Na、K、Ca、リンなど)の量や濃度を調節する。また、ビタミンDを活性化させたり、血圧に関与するレニンというホルモンや赤血球の産生に関与するエリスロポエチンなどを分泌します。

泌尿器系の仕組み
尿管

腎蔵で作られた尿を膀胱に運ぶ管状の臓器です。

膀胱

腎臓から運ばれてきた尿を一時的に溜める袋状の臓器です。膀胱の容量は、成人で平均して500ml程度ですが、人によって、約250 - 600ml程度と、個人差があります。

前立腺

男性特有の臓器です。膀胱の下に位置し、尿道のまわりを取り囲んでいます。栗の実のような形をしています。前立腺は精液の一部に含まれる前立腺液をつくっています。

尿道

尿が膀胱から体外に排泄される時に通る管を指します。尿道は男女の違いがあります。男性の場合、14cm~27cmと長くS字で、前立腺の中を通ります。女性の場合、尿道が3cm~4cmと短く、まっすぐ下に向かっています。