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熱中症に気を付けましょう!

 今年は、気温が35℃を超える日が続いており、連日のニュースで、熱中症により搬送された方の件数が報告されています。野外で作業をしている方のみならず、自宅にいた人までもが、救急搬送されているようです。中には不幸にも、亡くなるケースも少なくないようです。
熱中症になると、どんな症状がでるのでしょうか?熱中症になった時の対処法は?また、熱中症にならないための予防方法は?などについて、触れてみます。

熱中症
 熱中症は、気温が高い場所や湿気が多い場所などに長時間いると起こることがあります。大量に汗をかいているのに、水分補給ができなかったり、涼しい場所に移動できなかったりする時に起こりやすいです。つまり、「熱中症」とは、“高温・多湿の環境に身体が適応しないことによって起こる様々な症状の総称”です。

熱中症の原因
 高温多湿の環境的要因と身体の状態によるところが大きいようです。全体でみると男性の発生が多いとされます。乳幼児と高齢者は性別に関係なく発生が多い傾向にあります。特に高齢者は死亡率も高く注意しなければなりません。発生状況としては、乳幼児と高齢者においては、日常生活での発生が多いです。乳幼児の場合には、体温調整機能が未熟で発汗量が多いことが原因で発生します。自身で体調不良を訴えることができない事も多いので、よく観察が必要です。高齢者の場合には、住居での発生が多く、周囲が発症に気が付かないことも多く危険です。加齢によって暑さに対する感覚が鈍り、冷房を使ったり衣服を調整したりする対処が遅れることが原因のですので、周囲からの注意喚起が必要です。その他、10代ではスポーツ時、40代・50代では労働中の発生が多い傾向にあるようです。

熱中症の症状
熱中症の進行状況や内臓、身体機能への影響によって、細かく4つに分類されます。 
熱失神
 暑さによって末梢血管が拡張し、血圧が低下する
 血液の循環量が不足し、めまいや失神が起こる
熱けいれん
 大量の発汗によって、ナトリウム量が低下する
 筋肉が硬直して、筋肉の痛みやけいれんが起こる
熱疲労
 大量の発汗によって、脱水状態が進行する
 体液の不足により、体温が上昇し、頭痛や吐き気、虚脱感が起こる
熱射病
 熱中症の分類の中で最も重症
 症状が進行し、体温調節機能が失われる
 40度以上の高熱がみられ、発汗が止まり、意識障害が起こる

最近では、重症度に応じてⅠ~Ⅲ度に分類されるようになっています。
Ⅰ度は軽症とされ、熱失神・熱けいれんに当てはまります。
Ⅱ度は熱疲労に分類されます。
Ⅲ度は重症で、熱射病に当てはまります。

熱中症の対処法
 熱中症にかかっても、その初期症状を把握し、適切な処置を施せば、危険な状態を回避することが出来ます。
まずは、日陰で風通しの良い場所や、冷房の効いた室内などに移動し、高温多湿の環境を改善して安静状態を保ちます。寝かせる時は、脳への血流が増えるように、仰向けで寝かせて足を高くするか、楽になれるよう横向きに寝かせます。そして、水分と塩分の補給です。市販されている経口補水液があると便利です。経口摂取が出来ない場合は、医療機関を受診し、点滴をしてもらうようにして下さい。併せて、身体を冷却する必要があります。衣類を緩め、靴は脱ぎ、なるべく熱が放散しやすい状態にします。水や濡れたタオルで体を濡らし、風を送ることで、気化熱により体から熱が奪われます。用意できる場合には、氷や冷えたペットボトルを利用して、脇の下や首を冷やします。しかし、重篤な場合や対処法を行っても症状が悪化している場合には、速やかに救急搬送するべきです。

熱中症の予防法
  1. 気温・湿度のチェック
    熱中症は高温・多湿の環境に気をつけることが大切ですから、気温と湿度のチェックを怠らず、室内では、エアコンや扇風機で環境を整えることが必要です。
  2. こまめな水分補給
    暑い時は、目に見えなくても多量の発汗により、水分を失っています。喉の渇きを感じる前に、こまめに水分を補給することが必要です。
  3. 暑い中での無理な運動を避ける
    運動時は熱中症のリスクが高まります。最も暑い時間の活動を避け、運動時間を短縮するなど、リスク管理が必要です。
  4. 服装
    吸水性や速乾性に優れている通気性の良い素材を選ぶようにしましょう。体を締め付けすぎないように気をつけ、熱を逃す工夫をします。
  5. 体調管理
    疲労や体調不良が、熱中症の発生リスクを高めます。寝不足や食生活が乱れないように、日頃から体調管理を怠らないようにすることが大切です。
熱中症の予防を常日頃心掛けること、また、熱中症の症状を理解し、早めに対処することで、重症化を防ぐことが出来ます。特に、小さいお子さんや高齢者の方については、周囲に居られる方の気づきが重要です。まだ、暑い日が続きそうですが、規則正しい生活を心掛け、みんなで乗り切っていきましょう。